1枚の畳にはイグサが4000本から8000本使われている

みなさんの家には、畳の部屋はあるのでしょうか。どのような状態で使われているのでしょう。一般の家ばかりではなく旅館などにも畳の部屋はあります。フローリングの床に比べて畳の部屋は、いい香りがしてくつろげる空間になっているのではないでしょうか。

 

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畳はイグサという植物から作られています。
イグサはあまりなじみがないかもしれませんが、水田で作られる作物で茎の部分から刈取り乾燥させて織ったものが、畳表として畳の表面に使われ、中身がスポンジのようになっていて、小さな隙間にはたくさんの空気が含まれているのです。

そのおかげで畳がある部屋は夏は涼しく、冬は暖かさを保つことができています。雨が多くじめじめした時期にはイグサが水分を吸収してくれますので、フローリングに比べて表面もやわらかいので肌触りも良くなっています。畳のある部屋が心地よく感じられるのは、このようなイグサの特徴があるからです。

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畳はいつどこで生まれたものでしょうか。古くから伝わる伝統的な日本の文化は中国大陸から伝わってきたものが多いのですが、畳は日本で生み出され、部屋の中の敷物として発展してきました。畳の歴史は古く今から1300年ほど前に書かれた古事記にも、畳の文字が登場しています。

畳の材料には畳表や畳床、畳縁が使われていて、イグサを敷物のように織ったものを畳表と呼び、イグサの産地で織られ材料屋さんなどを通して畳屋さんに届けられて、畳屋さんが畳床に畳表をかぶせて縫込み畳として完成させるのです。1枚の畳にはイグサが4000本から8000本使われているといわれています。そのほかにも縁にかぶせる飾りの畳縁があり、これらを畳床に縫い込んで1枚の畳を完成させているのです。

現在では土の壁や木の家が減ってきたように、畳の部屋も少なくなってきています。畳に座る暮らしから椅子に座る暮らしへと生活の様子が変わってきたことや、家を造るときに和室より洋室の板張りにしたほうがお金がかからないことが理由です。その一方で健康やくつろげる空間を大切にしたいという考えもあり、畳の良さも見直されてきています。

半畳