畳表の材料ではイ草が代表ですが、それでもピンからキリまであります

畳表や畳縁など畳の材料は大した変わりはないと思われがちですが、実はそうでもないのです。もちろん畳表の材料ではイ草が代表ですが、それでもピンからキリまであります。畳縁は模様などが目立ち、色や柄も違うことがあるので、質的には変化は少ないとしても値段に差があることは察しがつきます。

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まずイ草ですが、現在は国産のものが少なくなり、中国産が多くなっています。一畳の畳表には約4千本から7千本のイ草を使いますが、上級品は長く成長したイ草を使い、本数も沢山使用しています。値段が変わるのはこの産地、長さ、本数そしてイ草のできばえということになるので、値段はこれらを反映したものと理解して大丈夫です。

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また、経糸というものを使って作りますが、この材料は綿、麻、綿と麻の二本芯そして麻の二本芯という使い方をしますが、後ろに行くほど高級品ということになります。

余談ですが、イ草は青くて独特の香りがするものを昔から「女房と畳は新しい方がいい」というような俗っぽい表現をしますが、通の間では時が経つにしたがって黄金色に日焼し光沢が増すものが良いとされています。
その他の畳表としては和紙をこより状にして表面に樹脂加工した和紙表もあります。強さが特徴ですのでペットを飼いたい家などにはうってつけであり、カビが発生しにくく管理がしやすいという良さも備えています。メセキ表、琉球表といったものあります。

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畳縁は見た目で分かる通りですが、最近は開発が進んでいるので、およそどのような好みにも応じられるようになっています。無地だけでなく模様入りのものでも、価格が変わるということはなくなっているくらいです。ただ、家紋入りとか白中紋や金七宝と呼ばれるようなものは追加料金がかかりますし、図柄の組み合わせなども同じことになります。

そして表や縁だけでなく、最近は畳の床も開発が進んでおり、昔からのものだけではなくなっています。
これらを合わせて考えるに、単に畳の部屋というだけでなくその部屋の目的に応じた選び方をするのが賢いということになります。

現に床暖房の畳の部屋は材質の違うものを用意するのが普通となっています。