茶道は畳と深い関係があります

畳と日本の伝統文化とを切り離して考えることはできません。特に茶道は畳と深い関係があります。茶室の畳はその敷き方や畳縁の入れ方、炉の配置等が細かく決められていて、そのことは茶道の所作や心につながっているということができます。畳の材料の良しあしがおもてなしの心につながっているといえます。

和室

例えば茶道の作法として摺り足気味に音を立てて歩きます。水屋に控えていてもその音によって茶室内での動きも察知できるわけですが、その足の運びの時に畳の違いがわかります。目の詰まった品質のよい畳表と、天然のわら床の畳は踏み心地もよく、足音も違います。品質の劣る畳では、毛羽立ちやささくれ、ほつれが出来やすく、これらは摺り足気味に歩くとすぐわかります。また、おじぎ等で畳に目がゆく所作が多いので、畳表の傷みがあるとすぐ気付きます。茶道では炉の時期と風炉の時期と季節ごとに畳も入れ替えるので、この時に新しい畳表に貼り替えることを習慣としていることが多いです。

縁有り畳の側面

また、茶室の畳に、炉畳という特殊な畳があります。釜をかける炉を構成する炉壇の上に置く畳のことで、これは炉縁の寸法(1尺4寸=42.4㎝角、厚み2寸2分=6.7㎝)にあわせて畳床と畳表の加工が必要です。この加工がうまくいかないと、炉畳が浮いたり沈んだりして不都合です。この畳の短い辺に小縁をつけますが、これも炉縁とぴったり合わせないと見た目が悪くなります。

さらに、茶室の畳は、敷き方が決まっていてその役割によって点前畳や客畳など名称があります。それと同時に畳の目は道具を置く場合や座る場合の目安として重要で、正式には畳の短い方の目数は64目(京間)と決まっています。近年は機械化等のため、一部の目が畳縁に隠れた半目となっていることがあり、どの目から数えるのかまようことがあります。

また、使用する畳縁にも決まりがあります。京畳の縁幅は9寸から1分ほどで、畳縁は綿または麻の黒縁です。床の間も小間では黒縁ときまっています。