畳の材料も伝統的なものだけではなってきていますが、い草だけは今でも消費の中心

畳と言えば、畳床は藁を圧縮して作ったもので、畳表はい草を使って作る。畳縁は綿で一部の高級品は絹で作ってあるというの伝統的な常識ですが、現在の実際の畳の材料はかなり違ってきています。今でも畳表はい草を使ったものが多いのですが、それ以外は違う材料に置き換わってきています。

和室

畳床は藁製のものは今は高級品のみで、多くは建材床になっていて、畳床のほとんどが建材床と言っても良いでしょう。建材というのは、木質のチップを材料にしたインシュレーションボードで発泡スチロールを挟んだ構造になっています。建材床は安く湿気に強く丈夫なのですが、藁の畳床に比べて踏んだ感触が固いことや発泡スチロールがそれ程持たないために寿命が短いことなどでメリットもあります。藁の畳床のような調湿機能はありませんし、空気を浄化する機能もありません。

置き畳

畳縁は通常使われている物はほとんど化学繊維になっています。ポリエステル・ポリプロピレン・ポリエチレンなどです。特にデメリットはありませんし、大変丈夫です。綿の縁もありますが化学繊維の縁のほうがデザインが自由で一般的になっています。絹などの高級品は元も多くは使われていません。

畳屋

畳表は今でもい草を使ったものが多いのですがその多くは中国産の輸入品です。国産品とは品質が違い、廉価品が中心になります。そして多くはないのですが、い草でない畳表もあります。和紙表や樹脂表です。いずれもい草の弱点である傷つきやすさや、水分に対する弱さを改善したもので、価格的には決して安くはありません。機能性で人気がありますが高価なのでそれ程は普及しているわけではないというところでしょうか。樹脂表も高級品ではほぼい草に見えるようになっていますし、触っても違和感がありません。しかも水濡れに強く水洗いすら可能です。ただ決して安いわけではないので用途を限定しての普及にとどまっているようです。

畳縁

この様に畳の材料も伝統的なものだけではなってきていますが、い草だけは今でも消費の中心のようです。