畳の材料は畳表、畳縁それに畳床にわけられます。

畳表は一番目につく所で、畳の表面に縫い付けられている素材でいわばゴザの部分です。1枚あたりに約4,000~7,000本のイグサと100本以上の経糸を使用して織られています。国内シェアの90%を占める熊本産を筆頭に国産のイグサで作られる物、中国産のイグサ使用あるいは、和紙や樹脂などで作られた物等様々な種類があります。長くて傷等がないイグサの1本1本の太さや色が揃っている物で作られ、1枚当たりの重量が重い物ほど品質が良いとされます。表を織る時に入れる経糸は、麻、綿、化繊糸等があります。品質のよい畳表ほどいぐさの織りこみ本数が多くなるため丈夫な麻糸を、また麻糸と綿糸を組み合わせた糸が使用されます。

和室

また、一般的な物の他に、個性のある畳表があります。竜鬢(りゅうびん)と言われる物は主に床の間に使用され、一般的な畳表に比べて目が大きい畳です。琉球畳表は主に縁なし畳に使用されます。耐久性に優れていますが表面は織り目が粗く、一般的な物と比べるとザラザラした感じです。色も多様で洋風の部屋にもマッチします。

イ草の苗

さらに、天然のイグサを使用しないで、和紙を主材料にしたものやプラスチック素材を原料とした物もあります。天然イグサのように香りはしませんが、耐久性に優れダニ、カビの発生を抑え、変色や色あせがないのも特徴です。

畳縁は、畳表の角を補強し摩耗を防止する働きをもっています。畳と畳の隙間をうめ、又、畳縁の色や模様によって部屋の雰囲気を変えることができます。茶室に使用される畳縁は黒の無地が原則です。畳縁の素材も化学繊維、綿、麻等多種多様です。

畳縁

畳床は普段は見ることは出来ない部分ですが、畳にとっては土台となる重要な部分です。稲わらを何層にも積み重ねそれを圧縮して作るので、弾力と吸収湿性、保湿性、断熱性に優れています。最近は断熱材を挟み断熱性を高めた物や、わらではなく木質繊維を固めて作ったもの、消臭機能を持つ畳床もあります。しかし、何といっても古来からの稲わらを材料として作られた畳は弾力性に優れており、身体に優しい畳に仕上がります。