畳表や畳縁などの畳の材料について

畳の顔と言われている畳表は、畳を良いも悪いも象徴するものでその原料はイグサです。イグサの青々しい香りとともにイグサ自体に高い吸放湿性があるので空気を浄化する性質を持っているからです。

代表的な畳表には、国産の天然イグサを使用して織られたものの中では最高級品と言われている広島県産の備後表・全国生産高の殆どを占めている熊本県産の肥後表や品質が良いことで知られている佐賀県産の佐賀表などがありますが、現在では中国産のものも多く流通しているのが現状です。日本が技術を指導した関係で品質も著しく向上してきたと言われ工事用から一般家庭用に進出してきた経緯があります。

引目 グリーン

又、イグサを染色して畳表に織り上げたカラー畳表も、和室をモダンな感覚で演出してくれるものとして人気があり、若い人を中心に利用者も増えてきました。

畳縁とは、畳の縁に付けられている幅が約3センチほどの布のことで、畳を補強するために付けられているものです。縁とは長方形の長い辺の方の終わり部分のことで、逆に短い部分の終わり部分を端といい、畳縁は畳の長い辺につけられているので畳縁と呼ばれています。畳縁も色や柄によって部屋の雰囲気を変えてしまう力があるもので、無地縁・柄縁・有識畳縁などの種類があります。昔は畳縁によって座る人の地位や身分を規制していたと言う歴史のあるもので布の素材も麻縁、綿縁、化繊縁などの種類があり伝統的な柄をモチーフにしたりと多くの柄があります。

縁有り畳の側面

畳の材料としてのイグサは、日本人には安心感をあたえ安らぎを覚えるものですが、昨今は日本文化として畳は外国人にも好評で人気が高まっています。畳を織り上げていく工程にも興味を持ち、職人文化とも評価されているようで、日本人の手の器用さがしばしばクローズアップされています。
このようにイグサを原料として歴史をきざんできた畳ですが、昨今では木質繊維を利用したものやポリプロ素材を利用したものも出てきました。