「畳の材料は?」と質問された際に出てくる一番ポピュラーな答え

皆様畳の材料をご存知ですか?日本家屋において切っても切れぬ品である畳、その材料を明確に説明できる人は案外すくないかもしれません。今回は畳の材料について説明していきます。

畳表

畳の材料を説明するにおいて切っても切れないのはその製法です。畳は大まか畳表(たたみおもて)畳床(たたみどこ)畳縁(たたみへり)の三つの部位に分かれています。床の芯になる畳床に畳表といわれる外張りをして、畳縁といわれる布を端に縫い付ける事によって我々に馴染みのある畳の姿になります。

畳ヘリ

しっかりとした重みと強度を持つ芯の部分である畳床は一体何の素材でできているのでしょうか?我々に一番馴染みのない部分ですが、ここに使われているのはとっても馴染みのある物です。それは稲藁です。この稲藁を圧縮することによってしっかりとした強度や畳としての重みを生み出します。日本人の主食である米が成る稲の藁にこんな意外な使い道があったのです。

畳の側面

畳表の材料は「畳の材料は?」と質問された際に出てくる一番ポピュラーな答えなのではないでしょうか。それはイグサです。漢字で書けば藺草となり和名では藺のみで表記されることもあり、一番短い名前の植物であります。藺草を経糸と呼ばれる絹や麻の糸を織り込んだ物を編み込むことによって作られます。藺草の内部はまるでスポンジような形になっており、有害物質や悪臭を吸着することによって空気の浄化作用や消臭作用があります。そして藺草の香りは人をリラックスさせる効果があります。畳の部屋に心落ち着くのは藺草の力なのかもしれませんね。

畳縁は現在では化学繊維が主流となっておりますが、昔ながらの製法では主に絹が使われています。無地や和柄が主流となっていますが最近ではビビッドカラーや水玉模様等の多種多様な畳縁が増えてきています。

和紙表

さて、畳の材料や構造を説明してきましたが、如何でしたか?転居の際や大規模な衣替えの際、何かしらの理由で和室を訪れられた際に、その材料や構造を思い出していただけると幸いです。